当クラブの評判はプレーされたゴルファーの間ですこぶる良いようである。
昨年は予想外の天候の不順で、酒井社長以下スタッフの全力の努力にもかかわらず理想の目標に達せられなかったと聞いている。
今年度は天候がどうであろうと、可能の限り大勢の方のご来場を期待したいものである。
そのためには、当然のことながら会員お一人一人が「自分の庭である」との意識を持ってクラブを愛し、優秀クラブになるべく懸命な協力をしたいものである。
幸い、コースレートも公式に決定され、ハンディキャップ委員会も出来たことゆえ、各自が腕前相応のハンディキャップを是非取得していただき、会員相互の勝負意識を向上させ、親睦を深め、愉快にプレーしたいものである。
競技委員会にはアイディア豊かなコンペを計画して頂き、より多くのメンバーの参加意欲をかき立てて下さるよう考えて頂きたい。
良いクラブをつくり上げるために会員全員が正しいマナー、エチケットを守ることにより安全でスムーズなプレーが出来る為の配慮や、景観の維持などの目標を具体的に設定して実行できるようフェローシップ委員会の活動にも大いに期待したい。
かくして各委員相互間の親密な信頼関係も醸成され、その結果はクラブ全体の品位、親睦の向上に資すること大であると確信する。
最後に是非申し添えたいのは、食堂の利用についてである。三和銀行の名誉会長であられる渡辺忠雄氏は満百歳に達せられたが、ますますご壮健で、現在はプレーはなさらないがエージ・シュートを経験された名手である。ご家族がメンバーなのでしばしば当クラブに来られるが、 「緑に囲まれたコースの眺めが洵に素晴らしいし、食堂が一階なのも有り難くせっせと通うことにしている。軽井沢での楽しみが一つ増えた」とおっしゃっておられる。
料理も美味なのだから、会員諸氏も食堂を「自分の食堂」として利用して頂くばかりでなく、会員以外の方々にも大いに楽しんで頂きたいものである。
要するに会員の皆様には当クラブを「自分の庭」というばかりでなく、ご家族、ご友人など「みんなの庭」との意識のもとクラブを充実する努力をお願いする次第である。
「おかえりなさい」
これが私ども中軽井沢カントリークラブ職員の会員の皆様に対する毎年4月のご挨拶となっております。
このご挨拶の言葉の中には、ゴルフ場運営に無縁であった私どもがスタートラインに立った時、「軽井沢」という場所を思い浮かべ、その中から軽井沢=別荘=別荘のお庭という発送が生まれて、クラブというものは会員の皆様のお庭であり、私どもはそのお庭をお預りしている「守人」であるという思いが込められています。
気がつけば、平成8年に開場いたしました当クラブも満3年が過ぎようとしております。
思い起こせば、数々の反省と失笑を買う連続であったようにも思います。
そうした中で私どもは少しでも、ご入会いただいたすべての会員の皆様にご満足いただき、庭先感覚でご利用いただけるクラブを目差し取り組んで参りました。
昨年導入しました副会員者の登録や優待利用証の発行も会員の皆様をはじめご家族やご友人の方々にも広くご利用いただけ、より快適なクラブライフをお過ごしいただけるものと信じ企画したものでございます。
今後共、会員の皆様が理想とするクラブに少しでも近付けるよう職員一同努めて参りたいと存じますので、温かいご支援ご指導を宜しくお願い申し上げます。
また、満3年を迎える本年度は、これまでの皆様のご愛顧に感謝申し上げる意味から、ご来場毎にポイントが加算され今年の営業終了後に素敵な商品がポイントによりお選びいただける『サンクスポイントプレゼント』というイベントを企画いたしました。詳しくは本誌イベントコーナーをご覧頂き、お誘い合わせの上ご来場賜りますれば幸いに存じます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
今回の探訪は、中軽井沢カントリークラブにおけるハード面のサービスの最前線であるコース管理について特集しました。
浅間山を背景にして森と水に囲まれたプレーヤーの庭ともいうべきコースのメンテナンスについて、どのように行われているのか、またこれまで従事してきた感想などをコース管理の責任者である分部グリーンキーパーを訪ねてみました。
――まもなく平成11年度の開場を迎えるわけですが、昨年の営業を終えてみての感想はいかがですか。
そうですね。昨年は本当に雨の日が多く日照不足がちの1年で、芝の生育には非常に気を遣いました。
――そう言えば、関東甲信越地方は、梅雨明け宣言がでなかったぐらいですね。
はい、特に当コースではフェアウェイに野芝を使用しているため、野芝の生育期間が5月中旬〜9月初旬と短い軽井沢において、昨年の長雨には大変苦労しました。
特に肥料に関しては、散布してもなかなか吸収されないため、肥料の時期・選択及び量などの点で苦労した一年でしたね。
――平地のゴルフ場に比べて高原のゴルフ場の芝管理は、冬場の凍結や積雪等で非常に難しいと思いますが、使用している芝についてお聞きしたいのですが。
当コースでは、フェアーウェイを野芝、グリーンをペンクロスベントという洋芝を使用しています。
――高原のコース=ベント芝を連想される方が多いと思いますが、軽井沢地区において、フェアウェイに野芝を使用しているコースが当クラブも含めて意外に多いので実際驚いたのですが、その理由についてお話いただけますでしょうか。
わかりました。確かに軽井沢地区でフェアウェイに野芝を使用しているコースは多いですね。当クラブにおいては、もともと許認可の際、農薬の件が問題となっており減農薬管理ということを考慮に入れスタートしました。
野芝の場合は、簡単に説明しますと、病気が出た際に芝張りや施肥・施薬のスポット処理で十分対応することができるのですが、洋芝の場合はグリーンに近いメンテナンスを考えなければならないため、フェアウェイに洋芝を使用することによって広範囲に渡って予防及び治療散布が必要となり、野芝に比べてより多くの農薬を使用せざるを得ません。
また、野芝は洋芝より雑草に強いこともメリットの一つです。
――なるほど。農薬の問題はコースを管理運営する際、必ず出てくる問題ですものね。
はい、まぁ総合的に見ても野芝の方が農薬量も少なく済みますし、芝刈り等の作業も比較的手間がかからず人手も少なく済みますので、ランニングコストの面を考えてもメリットはあると思いますね。
実際、近隣コースで同様にフェアウェイに野芝を使用していて、高クオリティを維持しているコースはありますから、当コースにおいてでも、十分対応していけると思っておりますし、必ず綺麗なフェアウェイに仕上がると確信しております。
――私たちプレーヤーの立場から見ても洋芝より野芝の方が打ちやすくていいですよね。
そうですね、洋芝みたいにボールが沈んだりしませんし、振り抜きやすいですから、私のようなビギナーにとっても楽にショットができますからね。
――グリーンについてはいかがですか。
グリーンには、ペンクロスベントという品種の洋芝を使用しております。
軽井沢や北海道のような寒冷地の気候に適している芝には、ペンクロスをはじめ、よく聞かれるケンタッキーブルーグラスとかフェクスといった寒冷地型の芝があります。
その中でペンクロスベントを使用した理由として、日本で最も普及している品種の一つであり、特徴として、広範囲の気候条件の中で旺盛な生育と密度の濃い芝生の育成に適している点があります。また、過度の踏圧による芝生の痩化や病気による損傷から優れた回復力を持つ繁殖力の強い芝生を作り出すというとが上げられますので、当コースにおいてはペンクロスベントを使用しております。
――先ほどもお話しにありましたが、寒冷地のゴルフ場ということで芝の生育等気を遣われる面も多いと思いますが、どのような作業をなさっているか、またどういう点に気を遣いながらコース管理をなさっているのですか。
そうですね、まずグリーンについてですが、大きく分けて3つあげられます。
まず最初にあげられるのが、『水の管理』です。
一般に乾燥した日が続けば散水するのは当然ですが、気候条件や芝の状態によっても変わってきますので、タイミングと散水が非常に重要になります。
日中の高温時に散水量が多いと蒸したり、葉が柔らかくなり、病気が出やすくなる原因を引き起こします。
次に『病気の早期発見』があげられます。最初に申しました通り当クラブでは、減農薬管理ということを重点に行なっておりますので、作業員一人一人が病気の早期発見に心掛け、適切な処置を行なわなければなりません。
病気によっては1日発見が遅れることによって広範囲にわたって被害が生じ、回復に時間がかかることもありますので、毎日細心の注意をはらっています。
3つ目にあげられるのが『施肥管理』です。
これは2つ目にあげた病気の早期発見やその予防に関わってくることですが、気候の条件・病気の被害状況・痛み具合等、芝の状態を見極めた上で散布する必要があります。芝の状態によっては局部的な散布も必要となります。
――最近、お客様からグリーンに軽井沢特有の芝目が出てきているとの指摘もありましたが、その点についてはいかがですか。
芝目については、開場当初から、更新作業等を繰り返すことによってできるだけ最小限に止めるよう管理してきましたので、今現在、パッティングに影響を与えるような芝目はまだ認められておりませんし、これからも出ないように管理するつもりです。ただ、当コースのグリーンは、結構細かく傾斜が入り組んでいる箇所も多いので、芝目があると錯覚するかもしれないです。
――なるほど、グリーンについては、毎年お客様から好評を得ていますが、私たちの見えない所ではこれだけ細心の注意を払いながら管理されていたわけですね。
グリーンは、コースの顔だと思っていますので人一倍気を遣いますね。
変な話、このグリーンをつくる際には、非常に手間とお金が掛かってますからね。(笑)
――そうなんですか。グリーン1面つくるのにどれくらい掛かるものですか。
グリーンだけでなく花道の部分やバンカーなども関わってきますが、1面2,000万円ぐらいではないでしょうか。
――えっ、そんなにかかっているんですか。(驚)
はい。
――次にフェアウェイについてですが、これまで分部グリーンキーパーが一番気を揉んだ部分の一つだと伺っておりますが。
はい。フェアウェイに関しましては、以前お客様にたいへんご迷惑をおかけしましたので、少しでも早く回復させる方法を考えて作業を行なって参りました。
回復に時間のかかるところは芝の張り替えを実施し、またお客様のご理解により養生期間も長く取らせていただきました。
野芝の生育期間が短いということを考慮に入れ、いかに期間中に良い状態に持っていけるかということをテーマに現在作業を進めているところです。
しかし、今年も継続して修復する箇所が若干残っている状態ですので、この場をお借りして皆様のご理解・ご協力をお願い致します。
――さて、いつも朝早くから作業に従事されてますが、通常の管理体制はどのように行なわれているのでしょうか。
当クラブのコース管理に在籍しているのは20名ぐらいですが、1日約15人ぐらいの体制で作業を行なっています。
日常業務としては、まずお客様がスタートする1時間前、6時半頃からグリーンの刈り込み・バンカー均し、・清掃作業を行ないます。
グリーン刈り、5人が受け持って行なっていますが当クラブのグリーンは、1面約800〜900uと大きいため1面刈るのに30分ぐらいかかります。
また、バンカー均しはアウト・イン1ずつ行い、残った作業員は清掃を行なうようにしています。朝の清掃は主に進入路・クラブハウス周り・グリーン・ティグランド・歩経路を清掃しています。
夕方の作業としては、カップの切り替えやティマークの移動が主な作業となります。
だいたい、最終スタートのあと、30分〜1時間間を取って作業を開始します。
カップを切る場所は、芝の状態によって変わってきますので、この時に病気が発生していないか注意して観察します。またそれと同じに、ボールマークを修復して、グリーンのクオリティ維持に努めています。
――クローズ中の現在については、どのような作業をなさっているのでしょうか。
主にコース内の枯れ木の伐採・伐根と排水不良箇所の暗渠排水です。
排水不良箇所については、毎回同じ箇所で発生しているので、この冬場に徹底的に整備しているところです。ただ、造成してから3,4年は土が動くため、すぐに修復できないのが難しいところですね。
もう少しお時間をいただければと思います。
それとオープン時にも行なっていることですが、管理機械の整備、備品関係の修理等も、冬期作業として重点的にチェックしています。
また、これは軽井沢のお家と同じですが、軽井沢は寒冷地ですので水関係の凍結防止にはやはり気を遣いますね。
――なるほど、クローズ中だからといっても気が休まることはなさそうですね。
はい。結構やることは多いんですよ。
――少し話はそれますが、昨今ソフトスパイクを積極的に採用しようという動きがでてきています。グリーンの芝の損傷を軽減しようということで、アメリカなどでは、約4,000コースでソフトスパイクしか許可されなくなったというレポートも提出されています。ここ軽井沢においても72ゴルフにおいてソフトスパイクしようのキャンペーンを昨年から実施されたりと、メタルスパイク禁止を視野に入れたゴルフ場も現れ始めております。こうした状況については、実際どのようにお考えですか。
そうですね、現在色々と資料を取り寄せているところで詳細につきましてはこれからですが、私の個人的な考えでは、メタルスパイクに比べてソフトスパイクの方がグリーンの損傷が軽減されように思われますので、メンテナンスの面や特にカップ周りのクオリティを保つにはいいと思いますね。それに基づいて経費の軽減にも繋がるでしょうしね。
当クラブの支配人もソフトスパイクを愛用していて聞くところによると、メタルスパイクに比べて非常に疲労感が少なくて楽にプレーができるようになったとおっしゃってましたしね。
ただ、プレーヤーによっては、メタルスパイクに比べて斜面で滑りやすいとか、スパイクの鋲を交換したりソフトスパイクを購入したりとお客様に負担が生じることですので、今すぐメタルスパイクを禁止することは難しいでしょうね。
ソフトスパイクの利点をポスターなどで大いにアピールして、徐々に浸透させていくことが必要ではないでしょうか。
――ソフトスパイクの普及の度合いとか、各ゴルフ場の状況等を考慮に入れながら取り組む必要があるでしょうね。
そうですね。でも今後日本においても、アメリカ同様ソフトスパイクが主流になる時が近く来るでしょうね。
――そう思います。さて、最後になりましたが、お客様にどのようなコースを提供していきたいか、また今後の目標などありましたらお聞かせ下さい。
はい、まぁ目標といいますか、日頃から常に心掛けていることなのですが、会員の皆様をはじめ、ご来場いただいたお客様が『このコースは綺麗』だと感じて下さり、プレーご満足して帰路についていただけるコース、また、再度来場したいという気持ちになるようなコースに作業員一同仕上げていきたいと思っております。
これだけ立地や自然に恵まれたクラブですから、メンテナンスの面で皆様の理想とするコースに少しでも近づけるように努めて参りたいと思いますので今後とも温かいご理解・ご指導をお願い申し上げます。
――これまで以上に快適にプレーしていただけるような軽井沢に相応しいコースづくりがされることを大いに期待しております。本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
(聞き手/Tee Time編集部)